2013年4月4日木曜日

おかしな薬屋さん

3月30日に名古屋にてPATH mini x Nagoyaが開催されました。

その際に、発表したプレゼンを紹介します。



子供の頃、いろんなものをつくるのが好きでした。
新聞をくしゃくしゃに丸めて、輪ゴムをつなげてヨーヨーのようにしたり、
おもちゃのフィギュアで遊んで、それの乗り物をダンボールで作ったり……


私の先生は、わくわくさんでした。
丁度、3月29日の今日、7:30~最終回がありました。

つくって遊ぼうを見ては、録画をする能力がないくらい小さかった私は、
一生懸命に落書き帳にメモをして、忘れないうちに作っていました。

つくって遊ぼうは、子供達の想像を書きたててくれます。
しっかりと妄想シーンもあり、おもちゃで遊ぶ姿をイメージさせてくれます。


これは、レゴの広告なのですが、
レゴで組み立てたこのカタチは、子供達の想像でティラノサウルスに変わります。

ちょっとしたおもちゃ、そういったものは子供達の頭の中でリアルになるのです。

今日は、そんな子供達が刺激される企画を行ったので、お話したいと思います。


昨年、大阪薬科大学で学祭の際に、模擬店を開催しました。
毎年、子供たちが沢山くるので、何か出し物を行っています。

一昨年は、投薬せよ!!というゲームで、
インフルエンザなどのウイルスに対し、投薬の文字通り薬を投げて倒すゲームを行いました。

昨年も何かしたいねという話になり、考えていたところ、
とある問題に出くわしました。


兄が風邪をひいたとき、お母さんは薬をもらい、薬を兄に飲ませます。

余った薬は大事にとっておき、弟が風邪をひいたときにその余っていた薬を使ったという問題です。

ご存知の通り、体格の違いで小児の投与量は違いますし、症状によっても散剤の種類も異なってきます。
しかし、それは平然と行われているのです。


ダイエットサプリメントを服用する際に、より痩せたいと思い、一度に通常量を超える量を服用したという問題。

血中濃度からも、ご存知の通り効果が見込めなかったり副作用がでたりします。

このような医薬品の不適切な使用をしている声を耳にしました。


現場の薬剤師さんも、このような医薬品の適正使用に関する悩みを感じているとお話しを聞く機会がありました。

医薬品の適正使用を地域に広めるにはどうすればいいのだろうか?

子供達にもわかりやすく遊んで学べる医薬品適正使用のゲームを作ろうと思いました。



そこで、昨年の学祭では
『医薬品の適正使用』について伝えるゲームをしました。

そして、薬剤師はどんな仕事をしているのかもわかるようなゲームを作りました。

それが……


『おかしな薬屋さんプロジェクト』です。

金魚すくいや、輪投げやホットドックなどを購入しに来る子供達が興味を持つような、
楽しそうでワクワクするゲームを作りました。

紙芝居、来局者対応、模擬調剤、薬効測定を行いました。


このゲームの特徴は、
ビジュアルでわかる薬物血中濃度です。

薬の模型と病気の模型を使って、同じ重さになるように測り取るゲームです。

もし、病気の模型の重さが重すぎれば、効果がなく、
薬の模型の重さが重すぎれば、副作用がでることになります。

そのため、適切に使用することで治療域に到達し、効果があるとビジュアルで感じさせるところです。


それでは、全体について説明します。



まずは、紙芝居です。
薬剤師は何処で働いているのか?何をしているのか?
薬を適正使用すると病気が治ること。
学校にも薬剤師さんが働いていることを伝えました。

一番驚いていたのは、子供を連れてきた親でした。
『私、中学校で働いているのですが、薬剤師さんを学校で見たこともないし、来ていることもしりません』

っておっしゃるんです。


次に、来局者対応です。

スタッフがぬいぐるみを持って、患者役をします。
子供達は薬剤師役をして対応します。

『今日はどうされましたか?』

と子供達が聞いて、やりとりをします。

その際に、処方箋と病気の重さがわかる模型を渡します。


子供達は、病気の模型を持って、その重さと同じ重さになるように薬の模型をとります。

処方箋には3種類の薬が書いてあり、その薬と同じものを取ります。


実際に大きな天秤で測ってみて、
子供達は適切に薬物治療を行うことの重要性を感じてもらうことができます。

この薬効測定にはもう一つの意味があります。

薬剤師体験をしてもらうなかで、
薬剤師がただ薬を調剤して、患者さんに渡しているだけではなく、
薬物治療もおこなっているんだよという想いもあります。

本当は、疑義照会などをパズルとしておこなっても良かったのですが、
今回は、小さな子供達も楽しめるものにしました。

実際に行ってみると、母親も夢中になるゲームとなりました。

他にも、子供達が白衣で頑張る姿を、写真に収めている親もいらっしゃいました。

このイベントでは、前後でアンケートを取りました。

薬を沢山飲むと病気が早く治ると思うか?
という問いに対して、未就学児(幼稚園児)からは、
『適正量より多く飲んでも早く治るわけではない』という回答を貰い、有意差がでました。

薬剤師についてしっていますか?という問いに、
事後には保護者、小学生、幼稚園児のあらゆる世代が、知っていると回答し、
有意差がでました。

薬剤師はどこで働いているか知っていますか?
という問いに対し、事後には保護者、小学生、幼稚園児のあらゆる世代が、知っていると回答し、
有意差がでました。


こうした活動を形にし、
28日(昨日)、日本薬学会でポスター発表することができました。

その際に、多くの方からお声をかけていただくことが出来ました。



もしかしたら、この活動は
小児病棟などで、子供達の薬に対する理解を向上させたりできるのではないか?

学校のお薬教室で使用することが出来る!

など、薬剤師さんから声をかけていただきました。


医薬品の適正使用を広める活動は、
今、社会から求められています。


ぜひとも一緒に、医薬品適正使用の推進活動をしませんか?

ありがとうございました。

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